ゼミの思い出 入室編
2001年3月20日大学生活を振り返って一番の思い出であるゼミについて書こうと思う。今日は、現在のゼミを選び入室するまでの、大学一年生時について。
俺の大学では、2年生からゼミに入室できます。そのため、入室試験は一年生時に受けることになります。複数のゼミを受験することは可能だが、入室は勿論不可。
俺は当時から銀行員志望だったので、金融(少なくとも経済系)の勉強のできるゼミを志望していた。金融部門のゼミは全部で4つ。その中から現在のゼミを選んだ一番のポイントは、初めての個別ゼミ紹介で、先輩が説明してくれた「ウチは勉強ムチャクチャ大変だけど、人間的・精神的にも成長するよ」と言う言葉だった。
そして「いろいろなゼミを見て回って、最終的にウチに決めてくれたら嬉しいな」という一言で、俺は、そういう風に言えてしまう先輩と一緒に勉強したいと強く思った。
何気なく言ったであろう先輩のその一言は、俺にとっては非常に大きな一言で、多くのゼミで盛んに言われた、「ウチのゼミは勉強楽だよ」とか、「自主性を重んじるよ」なんていう言葉よりも、何倍もの衝撃を与えた。
それ以降、ウチのゼミの説明会には必ず参加し、顔と名前を覚えてもらうにまでなった。「また来たね」と言われた時には、嬉しかった覚えがある。
迎えたゼミの入室試験は筆記試験と、先生・先輩方との面接。面接時の俺の受験番号は1番。今思うと、下手をすると印象が薄くなってしまう順番だが、そこは俺のキャラクター全開で、熱く自己PRと第一志望であることを語った。
「今まで独学で金融や経済について勉強してきましたが、先生には、そんな私の独りよがりの知識を直していただきたいと考えています」と、最後に付け加えた。
その面接が終了した後に、そのまま俺は一度も説明会に参加したことのないゼミの入室試験を受けに行った。
というのも、落ちていたら当然本命のゼミには入室できないわけで、そうなった場合、百歩譲って、どこでも良いからゼミには入室したいという考えがあったからだ。
そのゼミの面接で、「他のゼミを受けているようですが、両方受かった場合、どっちに来ますか」と聞かれた。そこでの俺の答えは、「迷っています」でした。こう言っては何だが、そのゼミの筆記試験では、落ちる気がしなかったからだ。素直に「こっちです」なんて答えたら、本命が受かった場合にキャンセルが効かないような気がしたからだ。これが後で気まずい思いをすることになるとは、思いもしなかった。
夜7時を過ぎ、ウチのゼミの合格者が掲示板に張り出され(ゼミごとに合否の発表方法は自由)、見事俺は入室できることとなった。嬉しかった。
先輩達に挨拶をし、赤羽のアパートに戻ろうと小田急線に乗って経堂をすぎた頃だ。突如、俺のPHSが鳴った。でてみると、先ほど挨拶をしたゼミ長さんからだった。
ゼミ長「お前さ、他のゼミも受けたらしいじゃん。そこの面接で、ウチと迷ってるって言ったんだって?どっちに来るの?」
俺「・・・(汗)、勿論こちらです」
ゼミ長「じゃぁ、向こうのゼミに断っておくからな、良いんだな?」
俺「はい、お願いします」
何で他のゼミを受けたことがばれてるんだろう、という疑問が頭から離れなかった。後で聞いた話だが、そのゼミ長さんの彼女が先ほどのゼミのゼミ生で、面接官をやっていたらしく、俺の面接後に「ケンタ(俺の本名が入る)っていう子が受けてるんだけど、そっちで採らないんならこっちで採るよ」と、ゼミ長さんに電話したのだという。今となれば笑い話だが、とにかく気まずかった。
こうして、俺のゼミ生活がスタートしたのだった。
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