確かな時間

2001年3月26日

 25日は、ウチの大学の卒業式でした。ゼミの女性陣の袴姿は、普段からは想像がつかないぐらい、綺麗でした。

 午後、後輩達から花束や記念品をもらった。ネーム入りのグラスでした。これは本当に記念になるよ。

 その後、先生のお宅で夕飯をごちそうになった。ノルウェーに行って来たそうで、山羊のチーズやトナカイのサラミなどを食べさせてもらった。

 西荻窪の先生のお宅をお暇してから、俺を含めた6人で池袋に出た。4月からは、みんな東京からいなくなってしまうのだ。このまま帰ってしまうのがどうも寂しく、それぞれ別れがたいと感じていたのだろう。池袋に着いたのが23時頃。はじめの頃はゼミの思い出話とか、それぞれにまつわる笑い話に花を咲かせていた。

 閉店まで後1時間を残すばかりとなった深夜4時、急に場の雰囲気がしんみりしてきた。みんな黙ったまま、タバコを吸ったり水割りを飲んだりしている。1時間ほど、そんなままでいた。

 店を出ると、俺達の心のように雨が降っていた。駅までゆっくりと歩いた。道すがら、「みんなになんて言っていいか分からねーよ」と1人がつぶやいた。それを言うのは反則だよ。俺は涙が出てきた。

 駅に着いても、口を開く奴はいなかった。10分ほど立ちつくしていただろうか、1人が俺に向かって右手を出して「ありがとう」と言った。もう、駄目だった。我慢していたはずなのに、泣くのは俺達らしくないと思っていたはずなのに、涙が止まらなかった。まともに顔が見られなかった。「こっちこそ3年間ありがとう。」みんなとした握手は、力強かった。俺達は確かに同じ時を共有していた。


 彼らとの付き合いは、これから一生続く。だからさよならは言わない。


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